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「なぁに!この人は私の兄弟の沖田みなおですよ!皆さんのために駆けつけてきてくれたんです」
あんぐりと美海は口を開けた。
ネーミングセンスなさすぎだろ!何みなおって!ダサっ!
「宗次郎、兄弟いたの?」
「えぇ!みなおも鬼ごっこをしてくれるそうです!」
「ん!?」
未だ美海は口を塞がれている。今のは「え!?」と言ったつもりだ。
「私に合わせてください」
沖田は美海の耳元で囁いた。
「じゃあその人は立花美海じゃないってこと?」
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ズキン…
やっぱり新撰組は…私はここまで嫌われてるのかぁ…。意外に傷つくな…。
美海は顔を歪めた。
「はい。けど立花さんは多分殺人鬼なんかじゃありませんよ。優しい人です。ただ仕事だからやってるだけですよ。そんなものです」
沖田は苦笑いしている。
「宗次郎なんか知ってる人みたい」
「なんとなくそう思っただけです。さぁ!みなおも来てくれたことですし、鬼ごっこの続きをやりましょうか!」
パンパンと手を叩くと沖田はにっこり笑った。
「山南さんは?」
一人の女の子が聞く。
「山南さんは今日は彼女のとこにいますよ。始めますよ!みなおも逃げてください!いーち!にー!さーん!」
「「「きゃー――!」」」
沖田は数を数え出した。
途端に子供達は境内の中を散らばる。
とりあえず美海は見つからないように茂みに隠れた。
「さーんじゅっ!」
「きゃ~!」
沖田は数え終わったようで境内には子供達の声が響き渡る。
「宗次郎が来る~!」
ジャリジャリジャリジャリ!
「きゃははは!」
「あれ?宗次郎どこ行くの?」
ガサガサ…
「美海さ~ん。これはかくれんぼじゃありませんよ?」
「ぅえ!?」
美海が顔を上げるとそこには眉を寄せた沖田が立っていた。
「今は捕まえないであげますから早く逃げてください」
「なんで場所分かったんですか?」
「美海さん気を出しすぎなんですよ。言っときますが次隠れたらすぐ見つけて捕まえますからね!隊務だと思って真剣に逃げてくださいよ!」
ガサガサ…
そう言うと沖田はまた再び境内の方向へ歩きだした。
流石沖田さん。私も『気』で分かるようにがんばらなきゃな。
「は~い」
美海はしぶしぶ立ち上がる。
「あ」
急に沖田は振り向いた。
「私に三回捕まったら、屯所中に美海さんの恥ずかしい行動を紙に書いて貼ります。あと私と1日中練習に立ち合ってもらいますから」
「え!?ひどくないですか!?」
「じゃあ、私に三回捕まらなかったら甘味処でも連れていってあげますよ。私の奢りで。まぁがんばってくださぁい♪」
沖田は微笑すると前を向いて子供達を追いかけ始めた。
く…。流石毎日土方さんをイジメてるだけある…。
絶対に紙貼られるのも1日中練習も嫌だ。1日練習に付き合ったら恐らく私を待つのは死だ。
美海は深刻な顔になると一気に境内を走り出した。
「はぁい!じゃあ皆さんそろそろ帰りましょう!もうすぐ日が落ちます」
空を見ると下の方は赤く染まっているが上は暗くなってきている。綺麗なグラデーションだ。
「え~まだやだぁ!」
「駄目です!お家の方が心配するでしょ?また明日です!」
「うん…」
「さ!帰りますよ!美…みなお!この子達送って来ますからここで待っててくださいよ!」
美海は賽銭箱の近くの階段に座って顔を下に向けたまま手だけ上げている。
「みなおはお疲れのようです」
沖田は苦笑いした。
美海は結局あの後死に物狂いで走って逃げていたのだ。美海も素早いが沖田も早い。
最初は本気という感じだったが後の方は楽しみながらという感じだった。
美海は勝負事に熱くなりやすいためついついやりすぎてしまう。
「みなお!ありがとう!」
「また遊んでね!」
子供達が笑顔で口々にお礼を言っている。
「うん!またね!」
美海は顔を上げて笑顔で言った。
疲れるけど…。あんなかわいい笑顔でお礼言われちゃまた遊んであげたくなるよなぁ。
沖田は子供達と手を繋いで境内を出た。
美海は未だ階段に座っている。
シン…
子供達がいなくなると急に静かになるなぁ。
美海はボーっと空を眺める。後少しで日は落ちそうだ。