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様にご相談したい旨がありまして」

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様にご相談したい旨がありまして」

様にご相談したい旨がありまして」

 

報春院は細く息をくと

 

まぁ良い、こちらへ」

 

濃姫を自身の前に控えさせ

 

「そちはし下がっていなさい」

 

「はい、大方様──

 

速やかに侍女を部屋から出した。

 

濃姫が前触れもなく訪ねて来る時は、大抵、人には聞かせられない話をする時である。

 

果たしては何であろう?

 

そう言えば、胡蝶と蘭丸の婚礼を早めることにしたと、以前 信長が言っていた。

 

その件であろうか?

 

報春院は極めて冷静に構えて、相手が話し出すのを待った。

 

 

畳の上に白い指先をえ、濃姫はゆったりと頭を垂れる。

 

「かような刻限に押しかけてしまった無礼、改めて、お詫び申し上げます」

 

……https://www.easycorp.com.hk/zh/secretary

 

「実は──胡蝶のことで、義母上様へご相談致したき儀がございます」

 

やはり、と報春院はどこか得意な顔になって頷いた。

 

「そなた様のことじゃ、そうではないかと思うておりました」

 

「義母上様」

 

「それで? 此度は何です」

 

……はい、まことに申し上げいことながら」

 

「いや、言わずとも良い。おおよそ察しは付いておる。胡蝶と蘭丸殿の婚礼のことであろう?

 

式の日時や段取り、介添人など、決めねばならぬことが山のようにあるからのう」

 

報春院は軽やかな声色で言ったが、濃姫は「あ」と残念そうな表情を浮かべて

 

「まことに畏れながら、胡蝶の婚礼の話ではございませぬ」

 

そう静かに否定してから

 

「しかしながら、あの子の将来に関わる話ではございます」

 

と、つけ足すように言った。

 

その意味有りげな物言いに、報春院は片眉をノの字に歪めたが、

 

あえて問い返すことはせず、相手が言葉を継ぐのを待った。

 

──その旨を義母上様にお話しする前に、どうか私の、夢物語をお聞き下さりませ」

 

「夢物語?」

 

「そう申せるほど、良い話でもございませぬが」

 

恥じるような微笑を浮かべると、やおら濃姫は背筋を正し、な眼差しを姑に向けた。

「出来ますれば、笑わずにお聞き下さいませ。この夢の話をしますと、あの上様でさえ呆れ果てた笑みを漏らすものですから」

 

「前置きは良い故、話してみよ。笑うか笑わぬかは、それからの話じゃ」

 

……はい」

 

濃姫は、亀がに首を引っ込めるが如く、一瞬 肩をめるようにして縮こまると、

 

「実はずっと以前より」と言葉に弾みをつけてから、例の不吉な夢の話を淡々と語り始めた。

 

もう何度 語ったか分からぬ話なだけに、信長に話した時よりも、幾分かスラスラと説明が出来た。

 

報春院は、そんな夢にしか過ぎない話を、口端一つ動かすことなく、真剣な面持ちで聞いている。

 

比較的 現実主義者である報春院は、内心では馬鹿馬鹿しき夢の話くらいにしか思っていなかった。

 

本能寺の最奥で信長が炎に包まれるという、不吉だが曖昧な話である。

 

この妻に信頼を寄せている信長ですら、呆れ顔を浮かべたというのだから尚更 無理もない。

 

しかし報春院は、全く信長と同じ反応をし続けた訳ではなかった。

 

それは、濃姫がその悪夢を気にかけるが故、自身も信長に従って上洛するという旨を、聞かされていた時だった。

 

 

といった次第にございまして、私が京へ参っている間、どうか胡蝶のこと、よろしくお願い致しまする」

 

「それは一向に構わぬが」

 

「つきましては義母上様。私が致しましたら、胡蝶を───

 

濃姫が語ったその先の言葉を聞いて、報春院は眉間に深いを寄せた。

 

到底 受け入れ難い話が、平然と相手の口から飛び出したのである。

 

……そなた、正気か!?」

 

唖然となっている報春院は、絞り出すような声で告げた。

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