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以前より強くなったとは言え,人の死に対しては怯えている部分があってちょっと突けば脆く崩れる。
そんな二人は今の落ち着く時間と場所を守りたいのではないか。
あくまでこれは勝手な見解だ。でもそう思う方がしっくりくる。
「いっぱい色んなモノを失ってきたが故の弱さかね。安心と縋るものが欲しいんだよ。」
「そうか……。当人達がそれで落ち着くなら部外者が口出す事やないけぇな。上手くやってくれたらそれでいい。」 https://www.easycorp.com.hk/zh/secretary
「迷惑かけないように心掛けるよ。
それはそうと三津に粗末なモン見せた罪と文ちゃんの積年の恨みを晴らさねばならんのだが。」
「は?今か?今なんか?」
桂は忘れないうちにやらないとと笑みを浮かべながら刀に手をかけた。
「免許皆伝者が真剣抜くのはいけん!せめて竹刀やろ!」
「じゃあ素直に打ち込まれるか?」
「おっおう!やってやろうやないかぁ!返り討ちにしちゃるけぇ!」
そんな虚勢を張るも桂に勝てないのはよく分かっている。だがもっと酷い罰を与えられるより竹刀で打ち込まれる方がマシだと考えた。
考えたのだが,
「頼む……もう許してくれ……。」
地面にへばりついて早々に降伏した。
「まだよ桂様。息の根止めて。」
「おいこら文!余計な事言うなや!」
見学していた文の野次に反応するが滅多打ちにされて起き上がれず顔だけそっちに向けて吠えたがかなり情けない格好だった。三津とフサは初めて見る桂の胴着姿に格好いいねぇとふやけた顔で眺めていた。
「文さん高杉はん何したん?」
事情を知らない幾松はよく分からんが見ててスッキリしたわと鼻で笑った。
「前に話した私酔わせて襲おうとした罪と三津さんに粗末なミミズ見せつけた罪。」
「粗末なミミズ?ミミズ……ぷっ!高杉はんよう見せたなそんなモン。」
「ミミズじゃねぇ!アオダイショウ!」
「まだ無駄口叩けるようだからもう一勝負行こうか。立ちなさい。」
日頃の鬱憤が溜まっていた桂もいつの間にか高杉を叩きのめす事に楽しみを感じて罰と言う名目が憂さ晴らしに変わりつつあった。
「それなら九一は!?あいつも何かやらかしたんやろ!?三津さん見ちょったら分かるぞ!?」
高杉は上手く矛先を変えたつもりだったがそれは逆効果で仇となった。
「嫌な事思い出させないでくれないか?」
爽やかにどす黒い笑みをした長身の桂に見下され高杉は悪かったと完全降伏した。
「とりあえずこんなもんでいい?」
「ありがとうございます桂様。これをあと十回ほどしていただければ……。」
「文……お前覚えてろよ……。」
「おーい高杉ー!一応言われてた訓練内容終わったぞー。」
赤禰の声がして高杉は助かったと顔を上げた。
「休憩!休め!あと俺を助けろ!」
その声を聞いてぞろぞろとみんなが集まって来た。先頭に赤禰の姿を見つけるとすかさず幾松が擦り寄った。
「赤禰はんお疲れ様,これ使って?」
自分の用意した手拭いと水の入った竹筒を手渡した。赤禰は引き攣った笑顔でどうもと受け取った。
「私も汗を流してくるよ。」
桂は竹刀を高杉に片付けろと渡して井戸の方へ向かった。その後ろを三津はごく当たり前について行った。
「着替えと手拭い用意しますね。」
「自分の事は自分でやるからみんなと居てくれて構わないよ?」
その返答に三津は目を丸くした。
「迷惑ですか?」
「いや!そうじゃなくて,どこまで三津に甘えていいのか分からなくて……。」
「あー……そうですよね。つい癖で。」
「折角一緒に来てくれたから今は甘えるよ。着替え頼んだ。本堂に置かせてもらってる。」
三津は笑顔で分かりましたと答えて本堂まで駆けて行った。桂は先に井戸に行くと胴着を脱いで下帯一枚で頭から水を被った。
『冷静になって考えよう……。私と三津は今どう言う関係と思えばいいんだろうか……。』
何がどこまで許される関係なのかはっきりさせたいところだ。